口腔外科 ORAL SURGERY
口腔外科とは
口腔外科とは、口のなか、あご、顔面ならびにその隣接組織に現れる病気を扱う診療科をいいます。
この領域には歯が原因となるものから癌まで、さまざまな病気を扱います。身近なものですと親知らずの抜歯や顎関節症、交通事故やスポーツなどの外傷、唾液腺の病気、口腔粘膜の病気などです。
この領域の異常は、食事や発音・会話がうまくできない、痛みが出るなどの機能的な異常に加え、見た目の異常も生じることがあります。
治療により口腔・顎・顔面全体の自然な形態や機能を回復させるお手伝いをするのが口腔外科です。
親知らずの抜歯
親知らずは専門的には智歯(ちし)とも呼ばれる、第3番目の大臼歯です。親知らずは一番最後に生えてくる永久歯なので、生える場所がなくなってしまうこともしばしばあります。
その為、歯茎に潜ったままきちんと生えてこなかったり、斜めに生えたり、最初からなかったりして、完全な形できれいに生える人は稀です。
親知らずは上あごと下あごに2本ずつ、合計4本あります。18~24歳くらいで生えることが多いですが、個人差が大きく、かなり高齢になってから突然生えてくるケースもあります。
抜いたほうがよい親知らず
抜いたほうがよい親知らずは、何かしらのトラブルを引き起こしているものです。
- 痛みや腫れを引き起こしている
- 歯並びがおかしい
- 手前の歯が虫歯になっている
- 時折親知らずの辺りから口臭を感じる
- 噛み合わせが悪く、顎関節症のリスクがある
抜かなくても良い親知らず
親知らずは悪さをしなければ特に気にする必要はありません。
なので、親知らずがきれいに真っ直ぐ生えていて、噛み合わせに問題がなく、歯磨きが上手にできていれば、抜かなくても大丈夫な場合もあります。
また、ご高齢のかたや基礎疾患がある場合は、抜くかどうかは十分に診察した上で判断していきます。
顎関節症
顎関節症とは?
あごの関節(顎関節)は入り組んだ複雑な構造をしています。
上下のあごは筋肉や靭帯によってつながっており、両者の間には関節円板という軟骨でできたクッションが挟まっています。
食事や会話のときに下あごをスムーズに動かし口を開け閉めしたり、左右に自由に動かすことができているのは、下あごの動きを制御する筋肉と、この顎関節のおかげです。
噛み合わせやあごの筋肉の動きに不調和がでると、顎関節の動きがおかしくなり、顎関節症という状態になることがあります。
顎関節症の代表的な症状
- 口を開けるときに「カックン」「コッキン」などというような音が鳴る
- 口が開けづらくなったり、口の開閉がスムーズにいかない
- 口を開けたり閉じたりするときにだるかったり、痛みがある
症状は、悪くなったり良くなったりを繰り返します。ひどいと、口がほとんど開かなくなってしまうこともあります。
顎関節症の原因
複数の要素が絡み合い、複雑で様々なものがありますが、ストレスによる筋緊張、上下の歯の噛み合わせのアンバランスさ、噛む力のかかる方向や大きさなどが不適切な場合が多いようです。
口の中に原因があることもあります。抜けた歯があるのに放置したり、虫歯や歯周病を治療しないままでいると、知らず知らずに噛み方や上下の歯の噛み合わせのバランスが変化して、顎関節に負担をかけることになります。
また、取れた歯の被せ物をそのままにしておいたり、壊れた入れ歯を無理やり使い続けた場合も同じことがいえます。口の中に原因があるときには、きちんと根本の病気の治療をすることが必要です。
当院では全体的な検査の上で、顎関節症の診断をし、適切な治療をさせていただきます。
口腔粘膜疾患
お口の中には歯の他に、歯茎や舌、口蓋、頬の内側、唇など、たくさんの柔らかな組織があります。ここに起こる病変を「口腔粘膜疾患」と呼びます。
症状としてはさまざまなものがありますが、以下のものが代表的です。
- 白色や黒色、赤色に変色した
- 表面に凹凸のできものができた
- 表面に傷ができた・ただれた
- 腫れた・水疱ができた
- ヒリヒリ痛む
- しびれる感じがする
- 味覚障害がある
これらのなかには、良性、悪性、または悪性に変化する病気もあります。
当院では歯だけではなく、お口の中全体をチェックして口腔粘膜疾患の診察を行っております。
定期的に通院しチェックを受けることをおすすめ致します。また、症状に変化があれば、すぐにご相談下さい。